AGA治療
AGA(男性型脱毛症)は、成人男性に見られる進行性の脱毛症で、主に前頭部や頭頂部から髪が薄くなりやすいという特徴があります。多くの場合、遺伝やホルモンバランスの変化が原因とされ、年齢とともに進行していきます。日本では約3人に1人の男性がAGAに悩んでいるとされており、その影響は見た目だけでなく、自己評価や心理的な面にも及ぶことがあります。
これらの症状は、進行性であるため、早めの治療を行うことが重要です。放置してしまうと、治療が難しくなる場合があるため、気になる症状があれば早めに医師へ相談することをお勧めします。
AGA治療にはさまざまな方法があり、患者一人ひとりの状態や希望に応じて最適な治療法を選ぶことができます。以下では、代表的な治療法について解説します。
内服薬治療は、AGA治療の中でも最も一般的で効果が高いとされる方法です。特に以下の2つの薬剤が広く使用されています。
プロペシアとして、2005年に国内で初めてAGA治療薬として承認された薬です。現在、ジェネリック薬も発売されています。II型5αリダクターゼ(還元酵素)を阻害して、抜け毛の原因とされているジヒドロテストステロン(DHT)の増殖を抑制し、抜け毛予防の効果を発揮します。これらによる治療は、髪の毛のヘアサイクルが関係するため、効果が発揮されるまで少なくとも半年程度は要します。半年後、効果を実感できたら、その後は長期的に服用を続けていただくことが大切です。効果がない方もいらっしゃいます。その場合は中止します。
効果の現れ方には個人差があります。短期間で効果が現れないといってご自身の判断で服用を中断してしまうと、AGAの進行を薬で止めている状態ですので、再び進行が始まります。服用を止める際は、医師にご相談ください。
性欲の減退、勃起機能不全(ED)、肝機能障害等がみられることがあります。肝機能障害のある方は必ずお申し出ください。前立腺がんの検診を受ける予定のある方は、検査の数値に影響を及ぼすことがありますので、検査実施前に、医師に服用している旨をお伝えください。
プロペシアに続き、2015年にAGA薬として国内承認された薬です。国内ではジェネリック薬はまだ発売されておりません。I型、II型両方の5αリダクターゼ(還元酵素)を阻害して、抜け毛の原因とされているジヒドロテストステロン(DHT)の増殖を抑制し、抜け毛予防の効果を発揮します。国際共同治験では、プロペシアの1.6倍の効果がみられたという結果が報告されています。
国内では外用薬として使われている薬ですが、内服薬としては、国内未承認で、海外では内服薬として発売されています。血管拡張による血行促進作用があり、発毛を促進させます。副作用として、多毛症、むくみ、うっ血性心不全等が挙げられており、血圧コントロールが悪い方、循環器系や呼吸器系に持病のある方は注意が必要です。当院では、既往歴等の問診を行い、血液検査などで異常がない方に限定して処方しています。
頭皮に直接有効成分を注射する治療です。通常、ミノキシジルや成長因子、エクソソームなどが使われます。アンチエイジングとして、近年注目されているエクソソームは、体の中の幹細胞を活性化し、細胞を修復させる働きがあります。
メソテラピーは個々の患者の状態に応じて配合成分を調整できるため、オーダーメイド感のある治療が可能です。また、内服薬や外用薬との併用によって、相乗効果が期待できます。
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初回カウンセリング
専門医によるカウンセリングで、患者の薄毛の進行具合や健康状態を確認します。この際、生活習慣や既往歴についても詳しくヒアリングを行います。
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診断と治療プランの提案
頭皮の状態を診断し、患者の希望や予算に応じた最適な治療プランを提案します。内服薬、外用薬、注入療法など、さまざまな選択肢の中から組み合わせて治療を行うことが一般的です。
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治療の開始
提案された治療法に同意した後、実際の治療を開始します。定期的な通院や経過観察を通じて、治療の効果を確認しながら進めていきます。
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効果の確認とアフターケア
治療開始から数ヶ月後に効果を確認し、必要に応じて治療内容の変更や追加のケアを行います。発毛効果を維持するため、継続的なケアが重要です。
AGA治療は医療行為であり、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。専門の医師が在籍し、最新の治療法を提供しているクリニックを選ぶことで、安心して治療を受けることができます。
AGA治療は効果を実感するまでに時間がかかることが多いため、長期的なサポート体制が整っているかどうかも重要です。定期的なカウンセリングや経過観察を行ってくれるクリニックを選ぶとよいでしょう。
患者によって薄毛の進行度や治療に対する反応は異なります。そのため、複数の治療法を組み合わせて、自分に合った治療法を見つけることが大切です。