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下肢静脈瘤とエコノミー症候群の関係性について

下肢静脈瘤とエコノミー症候群の関係性について|神奈川県厚木市本厚木駅|血管外科・美容外科|血管外科クリニック本厚木

2026年7月15日

下肢静脈瘤とエコノミー症候群は、どちらも脚の血管に関わる疾患ですが、その関係性について正しく理解することが重要です。

厚木市で下肢静脈瘤の治療をお考えの方に向けて、両疾患の違いと関連性、そして適切な対処法について、血管外科の専門的な視点から詳しく解説いたします。

エコノミー症候群とは

エコノミー症候群は、正式には「旅行者血栓症」または「ロングフライト血栓症」と呼ばれ、長時間同じ姿勢で座り続けることによって脚の静脈に血栓(血の塊)ができる疾患です。

飛行機のエコノミークラスで長時間座ったまま移動する際に発症しやすいことからこの名前が付けられましたが、実際には新幹線やバスでの長距離移動、デスクワークでの長時間座位、災害時の車中泊など、さまざまな状況で発症する可能性があります。

エコノミー症候群の原因と発症メカニズム

エコノミー症候群の主な原因は、長時間の座位姿勢により脚の静脈血流が停滞することです。

特にふくらはぎの筋肉を動かさない状態が続くと、静脈還流が低下し血液が滞留します。この状態が続くと血液が凝固しやすくなり、深部静脈血栓症(DVT)を引き起こします。

エコノミー症候群の症状

エコノミー症候群の初期症状としては、ふくらはぎの痛みや腫れ、足のむくみが挙げられます。

血栓が形成されると、患側の脚全体が腫れ、皮膚が赤紫色に変色することがあります。さらに深刻な状態として、血栓が血流に乗って肺に到達すると肺塞栓症を発症し、突然の呼吸困難、胸痛、動悸などの症状が現れます。

肺塞栓症は生命に関わる重篤な合併症であり、緊急の医療介入が必要です。

エコノミー症候群を放置した場合のリスク

エコノミー症候群を放置すると、血栓が拡大して静脈を完全に塞いでしまい、慢性的な脚のむくみや痛みが残る「血栓後症候群」を発症する可能性があります。

また、血栓が肺に飛んで肺塞栓症を引き起こした場合、致死率は10~30%と報告されており、迅速な対応が生命を左右します。

下肢静脈瘤との関連性

下肢静脈瘤とエコノミー症候群は、どちらも下肢の静脈に関わる疾患ですが、その発症メカニズムや病態は大きく異なります。

しかし、両者には重要な関連性があり、特に下肢静脈瘤を持つ患者さんはエコノミー症候群のリスクが高まる可能性があることが指摘されています。

両疾患の共通点と相違点

下肢静脈瘤は、脚の表在静脈(皮膚の近くを走る静脈)の弁が壊れて血液が逆流し、静脈が拡張して瘤状に膨らむ慢性疾患です。一方、エコノミー症候群は深部静脈(筋肉の中を走る太い静脈)に急性に血栓が形成される疾患です。

両者は影響を受ける静脈の種類が異なりますが、静脈血流の停滞という共通のリスクを持ち合わせています。

下肢静脈瘤を持つ患者さんでは、すでに静脈の血流が悪化しており、血液の停滞が起こりやすい状態にあります。このため、長時間の座位姿勢などエコノミー症候群の誘因が加わると、深部静脈血栓症を発症するリスクが健常者よりも高くなる可能性があります。

研究結果では、下肢静脈瘤患者における深部静脈血栓症の発症リスクは一般人口の約1.5~2倍と報告されています。

下肢静脈瘤がエコノミー症候群のリスクを高める理由

下肢静脈瘤による慢性的な静脈うっ滞は、炎症性サイトカインの産生を促進し、血液の凝固傾向を高めることが分かっています。このような全身的な凝固能の変化が、エコノミー症候群発症の素地となる可能性が指摘されています。

そのため、下肢静脈瘤の治療後は定期的な経過観察が重要で、特に長距離移動の際には弾性ストッキングの着用や適度な水分補給、こまめな足の運動などエコノミー症候群の予防策を継続することが推奨されます。

■深部静脈血栓症とは

深部静脈血栓症は、エコノミー症候群の本態であり、下肢や骨盤内の深部静脈に血栓が形成される疾患です。

深部静脈血栓症の原因とリスク因子

深部静脈血栓症の発症には、三つの要因が関与します。

それは、(1)血流の停滞、(2)血管壁の損傷、(3)血液凝固能の亢進です。長時間の座位姿勢は血流停滞を引き起こし、手術や外傷は血管壁を損傷し、がんや妊娠、経口避妊薬の使用などは血液凝固能を亢進させます。

深部静脈血栓症の症状と診断

深部静脈血栓症の典型的な症状は、片側の下肢の突然の腫れと痛みです。ふくらはぎを触ると硬く緊張しており、圧痛があります。皮膚が赤紫色に変色し、皮膚温が上昇することもあります。しかし、深部静脈血栓症の約50%は無症状または軽微な症状しか示さないため、注意が必要です。

診断には、血液検査(Dダイマー測定)、下肢静脈超音波検査(エコー検査)、造影CT検査などが用いられます。特に下肢静脈瘤の診療で用いられる超音波検査は、深部静脈血栓症の診断にも有用であり、厚木市にある血管外科クリニック本厚木では両疾患を同時に診断することが可能です。

下肢静脈瘤で気になる症状の傾向

下肢静脈瘤の患者さんからは、さまざまな症状についてのご相談を受けます。下肢静脈瘤は単に血管が浮き出て見えるだけでなく、多彩な症状を引き起こし、生活の質に大きな影響を与えることがあります。

足のつり、こむら返り

「夜中に突然ふくらはぎがつって目が覚める」「運動中に足がつりやすい」といった症状は、下肢静脈瘤患者さんに非常に多く見られます。

下肢静脈瘤によって静脈血の停滞が起こると、筋肉への酸素供給が不十分になり、老廃物の蓄積が進みます。この状態では筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れ、異常な筋収縮であるこむら返りが起こりやすくなります。

ふくらはぎのかゆみ

「ふくらはぎが無性にかゆい」「夜になるとかゆみが強くなる」という症状も、下肢静脈瘤患者さんからよく聞かれる訴えです。このかゆみは一般的な皮膚のかゆみとは異なり、下肢静脈瘤に特有のメカニズムによって生じます。

下肢静脈瘤による静脈血の停滞が長期間続くと、静脈圧が上昇し、毛細血管から組織への血漿成分の漏出が起こります。この結果、皮膚の炎症を引き起こす物質(ヒスタミンやサイトカイン)が放出され、かゆみが生じます。また、静脈うっ滞により皮膚への酸素供給が低下し、皮膚のバリア機能が低下することも、かゆみの原因となります。

皮膚の変色

「足首の周りが茶色くなってきた」「皮膚が黒ずんでいる」という症状は、下肢静脈瘤の進行を示す重要なサインです。この皮膚の変色は、医学的には「色素沈着」と呼ばれ、静脈うっ滞の慢性化を反映しています。

下肢静脈瘤による慢性的な静脈高血圧により、毛細血管が破綻し、赤血球が組織内に漏出します。漏出した赤血球が分解されると、鉄を含むヘモジデリンという色素が皮膚に沈着し、茶褐色から黒褐色の変色を引き起こします。この変化は特に内くるぶしの周辺に顕著に現れ、「うっ滞性色素沈着」と呼ばれます。

当院で下肢静脈瘤の専門的な診療を

厚木市で下肢静脈瘤にお悩みの方は、ぜひ血管外科クリニック本厚木までご相談ください。当院では血管外科専門医による正確な診断と、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療法をご提案しています。下肢静脈瘤の日帰り手術から、シャント形成手術まで専門的な治療を実施しています。

皆様の健康な足を守るために、スタッフ一同、全力でサポートいたします。

黒澤弘二院長の写真

監修者
血管外科クリニック本厚木
院長 黒澤弘二

  • 日本脈管学会認定脈管指導医/専門医
  • 日本血管外科学会認定血管内治療医
  • 下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医/実施医
  • 弾性ストッキング圧迫療法コンダクター
  • 日本フットケア足病医学会認定師

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