下肢静脈瘤の再発について

下肢静脈瘤の再発について

下肢静脈瘤の治療を受けたにもかかわらず、「また症状が出てきた」「別の場所に静脈瘤ができた」と悩んでいる方は少なくありません。下肢静脈瘤は適切な治療を受けても、5～10年後には10～20%の確率で再発する可能性があると言われています。静脈は多くの枝や吻合があるため、再発することは少なからずあります。手術後の定期通院が終了した後に、数年してまたむくみやこむら返りなどの症状がでてきた、血管の膨らみが徐々に出てきたなどの場合、再発の可能性があります。
しかし、最新の診断技術と治療法によって、再発した下肢静脈瘤も効果的に負担が少なく治療できるようになりました。当院では日帰り手術を中心に、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。

下肢静脈瘤再発のパターン

下肢静脈瘤再発には以下のようなパターンがあります。

• 治療部位とは、別の部位静脈や同じ血管の末梢の残存している部分が後に静脈瘤化
• 高位結紮術の手術部位が再疎通
• 穿通枝と呼ばれる深部静脈と表在静脈の交通枝からの逆流による表在静脈の瘤化
• 加齢や生活習慣による新たな静脈弁不全の発生
• 硬化療法のみで治療した場合の再疎通
• 静脈瘤切除のみの治療後の再発

下肢静脈瘤再発の原因について

1. 生理的要因による再発

下肢静脈瘤は静脈の弁の機能不全が主な原因ですが、治療後も生活習慣や体質などの根本的な要因が変わらなければ、別の静脈に負担がかかり新たな静脈瘤が発生することがあります。

• 加齢による静脈壁の弾力低下: 年齢を重ねるにつれて静脈壁の弾力性が失われ、新たな弁不全のリスクが高まります。
• 遺伝的要因: 家族に下肢静脈瘤の方がいる場合、再発リスクも高まります。
• ホルモンバランスの変化: 女性の場合、妊娠やホルモン療法により再発リスクが上昇します。

治療法に関連する再発

• 従来の高位結紮術後の再疎通: かつてメインの治療の一つであった高位結紮術は、結紮（しばる）部分が時間経過とともに再開通することがあります。また、大伏在静脈や小伏在静脈の大部分が残存しているため、分枝からの流入で、再発することがあります。
• 硬化療法のみで治療: 硬化療法は負担が少ない治療ですが、それのみの場合、高率に再発することがわかっています。血管内治療がなかった時代に、一時期、本幹の硬化療法が盛んだった時代もあります。
• 残存静脈瘤: 静脈は多くの分枝があるため、別の部位からの流入により瘤が大きくなる場合があります。

生活習慣に関連する再発

• 長時間の立ち仕事: 継続的な静脈圧の上昇により、新たな静脈弁不全が発生。
• 肥満: 腹圧上昇による静脈圧の増加。
• 運動不足: 下肢の筋ポンプ機能低下。
• 老化による筋力の低下: 下肢の筋ポンプ機能低下。

下肢静脈瘤再発の予防法

下肢静脈瘤の再発を防ぐためには、治療後のケアと日常生活での注意が不可欠です。

下肢静脈瘤が再発した場合の治療法

下肢静脈瘤が再発してしまった場合でも、最新の治療法によって効果的に対応することが可能です。当院では日帰り手術を中心に、患者様の状態に合わせた最適な治療法をご提案しています。

超音波検査による正確な診断

再発した下肢静脈瘤の治療で最も重要なのが、超音波検査による正確な診断です。手術後は静脈の走行が変化していることが多く、通常の静脈瘤とは異なる対応が必要となります。

●治療法
再発の形態により、血管内治療、硬化療法、瘤切除などから適切な治療を選択します。

血管外科クリニック本厚木では他院で治療歴のある再発下肢静脈瘤の患者様も多数来院されております。
適切な診断と治療により、症状を改善されることができます。また、以前と似たような症状が出てきたなど、気になる症状がある場合は、ぜひご相談ください。

よくある質問

Q: 下肢静脈瘤の再発率はどのくらいですか？

A: 適切な治療を受けた場合でも、5～10年後には約10～20%の患者さんに何らかの再発が見られます。立ち仕事など、リスクの高い方の場合、弾性ストッキングの着用や適切な生活習慣の改善により、再発リスクを低減することが可能です。再発してしまった場合でも、多くの場合、初回手術同様に負担の少ない日帰り手術で治療は可能です。気になる症状があるときは、ぜひご相談ください。

Q: 他院で手術を受けたのですが、症状がまたでてきました。再治療は可能ですか？

A: もちろん可能です。当院には他院で治療を受けた後に「症状が再発した」「静脈瘤がまたでてきた」などの悩みを持つ患者様が多く来院されています。まずは超音波検査で現在の状態を正確に診断し、適切な治療法をご提案いたします。

Q: 再発した下肢静脈瘤も日帰り手術で治療できますか？

A: はい、多くの場合、初回手術同様に、日帰り手術での治療が可能です。

Q: 再発予防のために日常生活で特に気をつけることはありますか？

A:適切な弾性ストッキングの着用、定期的な運動、長時間の立ち仕事や同一姿勢の回避、適正体重の維持などが効果的です。当クリニックでは患者様一人ひとりの生活習慣に合わせた具体的なアドバイスを提供しています。