2025年11月06日

神奈川県厚木地区に2024年7月に開設された血管外科クリニック本厚木は、この地域初となる血管外科専門院として診療を開始いたしました。院長の黒澤医師は、外科医として30年の診療実績を持ち、血管外科分野において国内屈指の実績を誇る東京慈恵会医科大学外科学講座で豊富な経験を積んだ、外科専門医・血管外科専門医です。
当院は「思いやりのある医療」を基本理念とし、大規模病院では相談しにくかった悩みや不安についても、患者様が安心してお話しできる診療環境の提供を心がけております。
海老名市でお住まいの方で足のむくみ、血管の浮き出し、皮膚の変色などの症状でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
下肢静脈瘤について
下肢静脈瘤は、足部の静脈弁機能が低下することにより血液の逆流が生じ、静脈の拡張や蛇行を来す疾患です。成人の約10%(10人に1人の割合)が罹患するとされ、特に女性に多く見られる病気です。

下肢静脈瘤の発症要因
下肢静脈瘤の主要な原因は静脈弁の機能低下です。
正常な静脈には「弁」という構造があり、血液が心臓方向へ一方向に流れるよう調節しています。この弁機能が損なわれると、重力により血液が下肢に停滞し、静脈への負荷が増大して拡張・蛇行が起こります。
具体的な下肢静脈瘤の原因としては以下が挙げられます。
・遺伝的要因
家族歴がある場合、発症リスクが上昇します。両親のいずれかに下肢静脈瘤がある場合、子の発症リスクは約40%増加するとされています。
・長時間の立ち仕事
教職員、医療従事者、美容師、販売従事者などの職種では発症リスクが高まります。
・妊娠・出産
妊娠期のホルモン変動や子宮拡大による静脈圧迫が影響します。出産経験者は未経験者と比較して約3倍の発症率を示します。
・加齢
年齢と共に静脈壁の弾力性と弁機能が低下します。。
・肥満
過度の体重負荷が静脈圧を上昇させ、弁機能不全を引き起こします。
下肢静脈瘤の症状について
下肢静脈瘤の症状は段階的に進行することが多く、以下のような症状が見られます。
・外観の変化: 青色の蛇行した血管や瘤状の隆起が足表面に現れます
・・浮腫: 特に夕方から夜間にかけて足首やふくらはぎの腫脹が見られ、長時間立位後に増悪します
・倦怠感・重量感: 足の重さやだるさを自覚し、立位継続により悪化します。
・疼痛・掻痒感: 進行例では痛みや痒みを伴い、暑い時期に症状が強くなることがあります
・皮膚変色: 重症例では足部皮膚が茶褐色に変色します。
・皮膚炎・湿疹: 静脈うっ滞による皮膚栄養障害から皮膚炎や湿疹が生じます
・潰瘍形成: 最重症例では「静脈性潰瘍」と呼ばれる治療困難な合併症が発生します
下肢静脈瘤は放置により徐々に進行する傾向があります。日本静脈学会の調査では、初期症状自覚から平均5年で明らかな症状進行が見られ、10年以上の放置例の約15%に皮膚変色や潰瘍などの重篤な合併症が生じるとされています。
海老名市で教職、看護、美容、販売業務などの立位作業に従事される方で「足のむくみが気になる」「出産後に足の血管が目立つようになった」といった症状をお持ちの方は、小田急線「本厚木駅」から徒歩1分の当院まで、お気軽にご相談ください。下肢静脈瘤専門医として、症状の原因診断から丁寧に対応いたします。

下肢静脈瘤の日帰り手術
当院では以下の日帰り手術手術を提供しています
血管内焼灼術
血管内焼灼術は下肢静脈瘤の標準治療として世界的に実施されている日帰り手術です。レーザーまたは高周波により静脈内部から熱を加え、機能不全静脈を閉塞させる治療法です。

<メリット>
・傷跡が非常に小さい(2~3mmの穿刺点のみ)
・痛みが少なく、術後の回復が早い
・再発率が低い(5年後の再発率は約5%と報告されています)
・保険適用の治療法である
<注意点>
・術後に圧迫ストッキングの着用が必要(1~2週間程度)
・非常に太い静脈瘤や蛇行が強い場合は適応外となることがある
・まれに皮膚のヤケドや神経障害などの合併症が起こる可能性がある
血管内塞栓術(グルー治療)
血管内塞栓術(通称:グルー治療)は、2019年に保険適応となった比較的新しい施術で、下肢静脈瘤の日帰り手術方法の一つです。特殊な医療用接着剤(シアノアクリレート)を静脈内に注入することで静脈を閉塞させる治療法です。。

<メリット>
・熱を使用しないため、熱による合併症のリスクがない
・麻酔の必要性が最小限で、痛みがほとんどない
・術後の圧迫ストッキングが不要または短期間で済む
・術後すぐに入浴や普段の生活に戻れる
・保険適用の治療法である
<注意点>
・しこりとして残ることがある(手術後につっぱり感が残ることがある)
・症例の蓄積が少なく長期成績についてはまだデータが限られている
・ごく稀に接着剤に対するアレルギー反応が起こる可能性がある
ストリッピング手術(静脈抜去術)
ストリッピング手術は従来から実施されてきた下肢静脈瘤の外科治療法です。現在では血管内焼灼術などの低侵襲治療が主流ですが、特定症例では本手術法が選択されることもあります。。

<メリット>
・太い静脈瘤や高度に蛇行した静脈瘤にも対応可能
・長期的な治療成績が確立されている
・保険適用の治療法である
・一度の手術で広範囲の静脈瘤を治療できる
<注意点>
・他の治療法と比較して傷跡が残りやすい
・術後の痛みや内出血が比較的強い
・回復期間が長い(完全回復まで2~4週間程度)
・術後の圧迫ストッキング着用期間が長い(約1ヶ月)
・神経損傷や傷跡の色素沈着などの合併症リスクがある
「足のむくみや痛みがあるけれど、本当に下肢静脈瘤なの?」「どの治療法が自分に合っているの?」など、多くの疑問や不安を抱えていらっしゃる方も多いでしょう。
下肢静脈瘤の治療は専門的な知識と経験が必要なため、下肢静脈瘤を専門としているクリニックでの診察をお勧めします。
当院の下肢静脈瘤日帰り治療
当院では下肢静脈瘤の日帰り手術を実施しております。院長は血管外科分野において国内有数の実績を持つ母校である東京慈恵会医科大学外科学講座に所属し、豊富な経験を積んでまいりました。また、下肢静脈瘤に関する専門医資格および指導医資格を有しています。
当院では高精度超音波診断装置を導入し、静脈逆流の程度や正確な病変部位を詳細に把握することで、患者様個々に最適な治療計画を策定しています。治療後の経過観察やケアも重要であり、術後フォローアップを丁寧に実施し、再発予防のためのアドバイスや生活指導も行っています。

下肢静脈瘤治療の流れ
当院での下肢静脈瘤治療は以下のような流れで進みます。
・初診・カウンセリング
症状や生活習慣についてお伺いし、下肢静脈瘤の可能性を診断します。
・超音波検査
静脈の状態や血流の逆流を詳細に調べ、下肢静脈瘤の種類や重症度を評価します。
・治療計画の提案
検査結果に基づき、最適な治療法をご提案します。治療費や回復期間なども詳しくご説明します。
・日帰り手術
局所麻酔で痛みを抑えながら手術を行います。通常30分~1時間程度で終了します。
・術後のフォローアップ
定期的な経過観察を行い、必要に応じてアドバイスを提供します。
下肢静脈瘤の放置リスク
下肢静脈瘤は外観上の問題だけでなく、放置により様々な合併症リスクが高まります。
- ・静脈炎: 静脈内血栓形成により炎症が生じ、疼痛や発赤を伴います。
- ・皮膚炎・湿疹: うっ血により皮膚栄養状態が悪化し、湿疹や皮膚炎を引き起こします。
- ・色素沈着: 静脈周囲皮膚に茶褐色の色素沈着が発生します。
- ・静脈性潰瘍: 最重篤な合併症で、皮膚に難治性潰瘍が形成されます。下肢静脈瘤を10年以上放置した患者の約5%に静脈性潰瘍が発生するとされています。
- ・深部静脈血栓症: 稀ですが、静脈内形成血栓が肺に移行すると肺塞栓症という生命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。
下肢静脈瘤は放置により症状が進行し、生活の質を著しく低下させる可能性があります。しかし、現在の医療技術では日帰り手術により安全かつ効果的な治療が可能となっています。
当院は下肢静脈瘤治療に特化した専門クリニックとして、最新治療法と豊富な経験を活用し、患者様個々に最適な治療をご提案しています。海老名市でお住いの方で足のむくみや疼痛、外観の変化でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
神奈川県海老名市から当院へのアクセス
最寄り駅:本厚木駅から徒歩1分
住所:神奈川県厚木市中町2丁目1番18号TRUNK本厚木3F
血管外科クリニック本厚木
院長 黒澤弘二
- 日本脈管学会認定脈管指導医/専門医
- 日本血管外科学会認定血管内治療医
- 下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医/実施医
- 弾性ストッキング圧迫療法コンダクター
- 日本フットケア足病医学会認定師