透析シャントPTA(バルーン拡張)|厚木市本厚木駅|血管外科・美容外科|血管外科クリニック本厚木
シャントPTA(バルーン拡張)とは
シャントPTAは、内腔がせまくなったり(狭窄)や血栓で詰まってしまったり(閉塞)した透析シャントを、風船がついたカテーテルを使って拡張する治療法です。シャント機能が低下した際に、血流を回復させるために行われます。
シャントPTAの必要性
シャントは、長期間使用していると、血管の壁が厚くなってきて、内腔が狭くなり(“狭窄”)血流が低下してきます。また、狭窄が高度になった際には、血圧が低下したり、脱水状態になったときに、血栓ができて詰まってしまうことがあります(“閉塞”)。そうなると、針を刺しても、十分な量の血液が取り出せなくなり、透析を有効に行うことができなくなります。シャントがだめになってしまった場合は、より上流の体の中枢に近い部位で、シャントを再度造設する必要があります。しかし、透析は導入した場合、一生涯継続する必要があり、シャントに適した静脈も限られているため、一度造設したシャントをなるべく長く使用することがすすめられます。そのため、シャント血流が落ちてきた際に、シャントPTAを行って、シャント血流を回復させることがすすめられます。
シャントPTAの手順
シャントPTAは、局所麻酔でエコーやレントゲン透視を使用して行われる日帰り手術です。手術時間はおよそ10-20分程度になります。
- シャント静脈を局所麻酔をした後、針を刺し、シースと呼ばれるチューブを挿入します。
- レントゲン透視を使用している場合は、造影を行い、狭窄部位を確認します。レントゲン透視を使用しない場合は、エコーにて狭窄部位を確認します。
- 狭窄や閉塞箇所までガイドワイヤーを進めます。
- 先端に風船が付いたバルーンカテーテルを挿入し、狭窄部位周囲に局所麻酔を行った後、風船を膨らませて狭窄や閉塞を拡張します。
- レントゲン造影やエコーにて血流が改善したことを確認し、バルーンを抜き、カテーテルを抜去します。
- シースを抜去し、穿刺部位を圧迫止血して終了です。場合により、しっかり止血するため、穿刺部位に一針縫合をかける場合もあります。
シャントPTAの利点
- 外科手術と比べて侵襲性が低く、体への負担が少ない
- 入院不要で、日帰りで治療できる
- 比較的短時間で治療が行える
- 再度狭窄した場合にも繰り返し治療できる
シャントPTAのリスク
- 疼痛(バルーン拡張時)※当院では病変部周囲に局所麻酔を行うため、可能な限り疼痛を緩和させます。
- 再狭窄、再閉塞※閉塞して時間が経ってしまった場合、PTAで再開できない場合があります。切開や再造設が必要になります。
- アレルギー反応(造影剤、局所麻酔薬など)
シャントPTAが適している人
- シャントの狭窄や閉塞によるシャント血流低下
- 狭窄しやすいシャント静脈で、定期的にシャント狭窄の解除が必要な場合
- シャント狭窄により手がむくんできた(静脈高血圧)